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スルタンアフメットの絨毯屋②

絨毯屋を出て、再びスルタンアフメットに戻ると、「いいカメラ持ってるねー!」と突然トルコ人男に声をかけられる。

今度はサングラスをかけた30代くらいの男で、なかなか男前である。
「そのカメラいくら?8万円くらい?僕もこの前日本に行ったときに買おうと思ったんだけど買わなかったんだよー。日本人はみんなちっちゃいコンパクトカメラもってるけどダメね。やっぱこーゆーのじゃないと。」とツバを撒き散らしながら喋る。

「日本人はみんなツアーで一緒にぞろぞろ回ってるけど、あれはダメね。旅行じゃないね。旅行っていうのはー、現地で友達作ってー、仲良くなってー、一緒に飲みに行ったりすることねー。」という。

「僕はいっぱい日本人に友達がいる。ほら、見て見て。今日も友達からメールが入っているんだ。」と言って、携帯のメールを見せてくる。
「僕は絨毯の貿易の仕事をやっていて、良く日本に行くんだ。」と言う。

そんな感じで少しの間話すと、「良かったらうちの店にこない?チャイを振舞ってあげるよ。」という展開に。

(やっぱそーゆー展開か)、と思いながら、(どーせ絨毯買う気無いし、チャイだけ飲んで帰ってやろう)と思い、面白半分で彼についていくことに。

そして彼の店につくと、別の男が3人ほど店内にいた。
そのうちの一人は、今朝スルタンアフメットで会った男である。
(結局お前もこーゆー仕事か)と思いつつ、再会のハイタッチを交わす。

そして例の如く椅子に腰をかけると、チャイが振舞われた。

暫しの間、彼らとトークを交わしていると、彼らはやたら東京に詳しく、どうやら本当に東京にちょくちょく来るようで、僕が恵比寿に住んでいると言うと、「あー、恵比寿っていったら、ZESTによく行くよ。」と言って知っている店の名前をあげられたこともあり、トークが盛り上がり、気を許してしまいつつあった。

そんな中、外でアザーンが流れると、「御祈りに行かなきゃ」と言って、僕と店の奥にいた男を残し、皆外へ出て行ってしまった。

店の奥にいた男は自称絨毯鑑定士で、日本人の彼女がいるとのことだ。
ちなみに後で知ることになるが、この男は日本人トルコ旅行者の間で超有名人だ。

彼はつい昨日、若い日本人男性に300万の絨毯を売ったそうで、気がつくと話題は絨毯の話ばかりに。
「良かったら見ていく?」と聞かれたので、再び面白半分で2階へとあがる。

先程の店と同じように、彼は手際よく絨毯やキリムを床に広げていく。
「僕はとても忙しいからホントはこんな風に絨毯を広げて売ったりすることしないんだ。いつもはこの店にいないから。でも君は友達だから特別だよ。ホントにラッキーだね。」という。

先程の店で2万円だった玄関マットサイズのキリムが、1万2千5百円だというので、(それぐらいなら買ってもいいかも)と、なんとなくキリムが欲しくなってきてしまう僕…。

何十万円もするという絨毯を広げられたので、「予算オーバーだよ。」と告げると、「ハッハー、わかってるよー、いくらぐらいなら出せる?」と聞かれる。

あんまり低い額を言うのもカッコ悪いし、という妙な見栄が働き、「2万円。」と答える僕。

彼は僕がもっと出せると思ったのか、ちょっとがっかりした素振りを一瞬見せたが、すぐに「よしわかった!」と言って、「友達だから特別に今からとっておきのサービスをしてあげる。」という。

彼は広げたキリムと絨毯のうち、「君が好きなもの2枚を3万円で売ってあげるよ!」という。
その中にA3用紙サイズくらいのシルクの絨毯が含まれており、当初その絨毯は7万円と言っていたので、それが本当ならそりゃもう破格の友情価格である。

若干キリムが欲しくなってきていたこともあり、暫し考え込む。

「僕はどうしても君にトルコの思い出として絨毯を持って帰ってほしいんだ!トルコなんてなかなか来れないだろうから、絶対お土産に買っていった方が良いよ!」と念押しされる。

更には、この店に僕を連れてきた男と、芸能人ふ○○り○うが絨毯を広げツーショットで写った写真を見せ、「この人知ってる?ふ○○り○うもここで絨毯を買ったんだよ。」と日本の有名人を引き合いに出し、僕の安心感を誘おうとする。これは逆効果だが。

悩みに悩んだ結果、自分用とお土産用にキリム2枚を買うことを決断。
シルクの絨毯は使い道が見当たらないので、「いらない」と言って、「キリム2枚が欲しいからもう少し安くして」と告げる。

彼は「う~ん、キリムは関税とかあるからあんまり値段が下げられないんだよな~。」と、最もらしいが意味のわからない嘘をつき、「…2万5千円。」と言ってくる。

ここで僕は「2万円。」と言おうかと思ったが、言えずじまいで2万5千円でお買い上げすることに。

チャイだけご馳走になり帰るつもりが、不覚にもキリムを購入してしまったのであった。

店を出てからは冷静になり「ホントに2万5千円もするものなのか!?」とずっと考えていたが、自分が当初納得して購入した金額なので、まぁしょうがない、良い話のネタができたので良しとする。
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by diecieuro | 2011-01-30 21:54 | 2011 ISTANBUL